「ちよだ芸術祭について」

「ちよだ芸術祭について」

2024年1月19日卓話要旨

「ちよだ芸術祭について」

ちよだ芸術祭プロデューサー 志田 雄啓 氏

(堀田康彦会員紹介)

 オペラ歌手の志田と申します。この度は「ちよだ芸術祭」に多大なご支援を賜り、誠にありがとうございます。神田RCの皆様には長年にわたってご支援頂き大変心強く思っております。この場をお借りして、改めて御礼申し上げます。

 「ちよだ芸術祭」は、地域参加型の公演活動を通して文化芸術の発展を目指しております。具体的には、一流の演奏家を招待して、「ちよだ芸術祭合唱団」や「ちよだピッコロ児童合唱団」という公募の合唱団に所属する音楽に興味がある全ての世代の人たちと交流したり、福祉施設や小・中学校に派遣したりするなど、良質な音楽を身近に感じる機会を創出しています。行政、企業、芸術家が三位一体となり、優れた芸術を広い世代に普及したいと願っております。来る2月25日に共立講堂で「第6回ちよだ芸術祭グランドフィナーレ」を開催致します。室内楽とオペラ歌手、そして一般市民の合唱団が一緒に演奏します。プロとアマチュアの垣根のない芸術を盛り上げていきたいと思っております。

 グランドフィナーレの出演者は、ウィーン在住で大阪交響楽団常任指揮者の寺岡清高さん、歌手は国内外で活躍している方々など錚々たる顔触れです。どの方も、音楽好きの遊び感覚でとても良い演奏をして下さいます。今年は『ピアノ協奏曲第2番』(ラフマニノフ作曲)を歌に変えたり、『瑠璃色の地球』(松田聖子)を男声で歌ったり、ピアノの独奏もあったりと盛り沢山の演目をご用意しておりますのでお楽しみ下さい。チケットは神田RCの皆様には賛助会員価格の3,000円でご購入いただけますので是非お越し下さい。又、法人賛助会員も募集しております。1月30日までにお申込み頂くとグランドフィナーレのプログラムに社名をお載せすることができますので、ご一考いただければ幸いです。

 今後「ちよだ芸術祭」で拡充していきたいのが、昨年7月のサマーコンサートから活動を開始した「ちよだピッコロ児童合唱団」です。当初は35名でしたが、今年は公募開始後、概ね1週間で募集を締め切るまでになりました。参加者のリピート率が70%を超えたので、来年、再来年度あたりには常設の合唱団にしたいと思っています。世間では音楽関連事業数が年々減り続け、現在では東京近郊の児童合唱団数が減ったり音楽学校が廃れ始めたりしています。確かに、歌っても音楽が好きでも、物質的に豊かになるとは限りません。しかし、音楽家としては心のゆとりは何にもかけがえのないものになると思っています。

 この合唱団を発足させるに至った学生時代の思い出があります。当時、お世話になっていた芸大の宮田先生と、ある会社の宴会に参加した際、私はいつものように歌を披露しました。すると、そこに同席していた社長の息子さんが、私が歌い終わると、とても良かったと15分ほどお話されたのです。その時、宮田先生からお褒めの言葉を頂きました。小さい頃に良いものを聞いたりして感動する機会がないと、ある一定以上の年齢になったときに、人は良いものを見ても聞いても、それが良いと思わなくなるそうです。ですから、私がそのお子さんの心を開いたので良いことをしたとお話して下さったのです。この思い出があったからこそ、私は千代田区に音楽好きな子が集まる場所を作って活性化させたいと思いました。合唱団に集まった子たちは本当に音楽が好きなんだなあというように歌ってくれるので、私はオペラ歌手になって初めて社会貢献をしている気持ちです。児童合唱団の月謝は今期4千円としました。それでも赤字ですが心意気でやっています。よろしければ法人賛助会員についてもご検討頂きたく、グランドフィナーレにお越し頂きまして、頑張っている子どもたちやアマチュアの皆さんの姿を見て頂ければ幸いです。

最後は、ミニコンサートをお楽しみ下さい。

荒城の月:(滝廉太郎 作曲):私の祖父が大好きな曲で、新年会の度に歌った思い出があります。

オー・ソレ・ミオ:当時、頼まれてもいなかったのですが、上野駅のビアガーデンで演奏し、横にいたサラリーマンの方々からコロッケを頂きました。これが私の初めてのギャラになりました。

カタリ・カタリ:声楽家を志そうと思ったきっかけの曲です。高校生の時にレコードでステファノ(イタリア人歌手)が歌うこのカンツォーネを聞き、電撃が走りました。

アンコール曲:見上げてごらん夜の星を