「ひとりで始めた支援活動から支縁の活動へ」

「ひとりで始めた支援活動から支縁の活動へ」

11月24日卓話要旨

「ひとりで始めた支援活動から支縁の活動へ」

NPO法人有明支縁会理事長  草野 紀視子氏

(新 健一会員紹介)

 この度は、拠点となる敷地・建物に神田ロータリークラブ様から助成を頂き誠にありがとうございました。おかげ様で新聞に掲載されたり、相談を受けたり、地元の諫早市教育委員会と連携したり、どんどん話が進んでおります。本日はNPO法人有明支縁会の成り立ちと、どうしてこの長崎に助成して頂く事に繋がったのかということで、私が災害支援活動を一人で始めたところから、DX支援事業(DX有明支縁会)の連携についてもお話したいと思います。

 初めに自己紹介ですが、私は銀行や会計事務所での経験と独学で得たシステム関連の知識を生かし、会計事務所や省庁・銀行・行政などのシステム変更ににSEやSA(システムアーキテクト)として携わった様々なご縁から、現在は長崎国際ゴルフ倶楽部で管理部課長を務めながら、経理やSEも兼任しております。東京オリンピックでは諫早市で聖火ランナーも務めました。私が最初に始めた災害支援活動は、熊本地震の時でした。そのきっかけを長崎工業高校の学生が動画にまとめてくれたもの(1)と、その約1年後(2017年)に地元のテレビ局で報道された動画(2)をご覧下さい。

動画(1)「諫早市在住の草野紀視子さんは、熊本へのボランティア活動を災害発生から1週間後にひとりで始めました。個人の力は小さいと感じ、神戸のNGO団体などに働きかけ、長崎からボランティアバスを複数回出すことに成功しました。しかし、初めは人集めに難航したと言います。草野さんは行政の手薄なところを民間のボランティアで手助けをしようと人を派遣し続けました。熊本支援に強く突き動かされた理由は、幼少期に父親から受けた虐待の経験にあります。大人になり、親になっても消えなかった孤独感と対人恐怖を拭うことができた唯一の瞬間が人の役に立てた時だったと、草野さんは話しています。」

動画(2)「諫早市の社団法人に勤める草野紀視子さんは、週末被災地に通い続けていました。行政の助成がない空き家の解体はボランティアが行います。草野さんはインタビューの中で、被災地の映像を見て涙が止まらず近くの県で大変な事が起きているのに黙っていられなかった事、元の状態に戻っている場所が少ないと感じた事、被災された方と一緒になって涙を流す場面もあった事、将来に不安を感じる被災者の心も支えたいと思った事、また最近はボランティアが足りない状況についても語ってくれました。」

 こうした活動の中で、災害だけでなく障害者難病支援や、筋痛性脳脊髄炎(新型コロナウイルスの後遺症からの発症が増加)の患者会では理事にも携わるようになり、民間から公的支援に繋げることが出来ないかと厚生労働省に陳情も行っております。

 そして、新健一会長とのご縁を頂いたのが防護服の支援です。コロナ禍、これまでの活動が出来ない中、NPO法人としてできることはないか探していた時に、募集を見て申し込みました。長崎県内の高齢者施設や全国の医療機関に災害支援と共に防護服の支援をさせて頂きました。

 今回助成して頂いた不登校の支援を始めた理由ですが、新型コロナウイルス後遺症で学校に行けなくなったお子さんの学習方法について多くの相談を受けたことがきっかけでした。各方面の方々からIT教材「すらら」を教えて頂きました。この教材はオンライン学習機能に加え、生徒と保護者のやり取りを通じて生徒の弱点を把握したり、学習履歴の証明として使用できます。今後NPOの支援として学習支援だけではなく、学校に行けなくなった理由を捉えたり、親子の繋がり、お子さんの背景や家庭環境なども含めて、お子さんが成人し自立出来るまで見守っていきたいと思っております。

 私はNPO法人有明支縁会と共にDX有明支縁校を個人事業として立ち上げました。コロナ禍で減少した来客数を増やすオンラインの仕組みをアドバイスするなど、事業者様に対してITの導入を支援し、その売上を有明支縁会の活動資金に充てることで一般の生活が困難な方を支援しています。行政とNPO法人有明支縁会、DX有明支縁会を繋げて支援する活動が認められ、SDGsの登録事業者として認定されました。最近は事業者の方がIT支援と共に有明支縁会に色々な相談をして下さることも増えてきています。

拠点は長崎ではありますが、オンライン学習、全国でできます。災害支援も難病支援も全国です。色々な方々の支援に繋げたいという思いで、本日お話をさせて頂きました。このようなご縁を頂き本当にありがとうございました。