「東京大神宮について」

「東京大神宮について」

東京大神宮 宮司 松山 文彦 氏

(廣瀬元夫会員紹介)

 本日は神田ロータリークラブ様の7月例会に東京大神宮マツヤサロンをご利用頂き誠にありがとうございます。会員の廣瀬様には大神宮の責任役員を長いこと務めて頂き、いつも的確なアドバイスを賜り、お陰様で神社は順調に運営されております。

 東京大神宮は明治13年、神宮司庁東京皇大神宮遥拝殿として日比谷に創建され日比谷大神宮と呼ばれておりました。大正12年の関東大震災で被災して、御神体を一時的に赤坂の日枝神社に奉遷するなど、予期せぬ災害を乗り越えて、現在の飯田橋に移ったのは昭和3年、今から95年も前のことです。ご利用頂いているこの会館は昭和40年竣工で、昭和62年には改修工事が行われると共に、ブライダル事業の運営が株式会社アターブル松屋に委託されました。東京大神宮マツヤサロンとして営業を開始し、今年で36年になります。その間の結婚式の件数は年間450件ほどです。コロナ以前と比べると件数も列席者も大幅に減少しておりますので、何とか挽回すべく頑張っているところです。ようやく明るい兆しも見えてまいりました。

 「東京のお伊勢さま」と称され親しまれている東京大神宮は神前結婚式創始の神社であり、最初の結婚式は明治34年7月21日に行なわれました。後に大正天皇となられる皇太子殿下の御結婚の礼にならい、神社の神前での結婚式を創始し、世に広めるべく力を注いでまいりました。現在も伝統的な結婚の儀式を守り伝えております。神前結婚式の歴史はまだ120年ほどですが、つい先日、神前結婚式が最初に行なわれた7月21日が「神前結婚式の日」として日本記念日協会の認定を受け、正式に登録されました。

 東京大神宮はいわゆる地域の氏神様ではなく、崇敬者の篤い信仰に支えられている神社です。広いエリアで広告を打つなら氏神様に対して失礼にあたらないであろうということで、まずはフリーペーパー「メトロガイド」創刊号に広告を出してみました。ちょうど正月前で、試しに小さなスペースの広告を出したところ、明らかな効果があり、大晦日に参拝者の行列ができました。その時の感激は今も忘れられません。以後、季節ごとに広告を出して、毎年ボリュームを増やしてまいりました。さらに平成25年に行なわれた第62回神宮式年遷宮に際しては、8年前から年2回のペースで「ご遷宮フォーラム」を開催し、毎回「メトロガイド」にその情報を掲載して参加者を募り、ご遷宮のPR強化に努めました。

また、全国紙や雑誌等にも広告を出し、駅看板についてはJR飯田橋駅をはじめ、東京駅、品川駅、近鉄名古屋駅などにも掲出致しました。私が大神宮に奉職した頃、地下鉄飯田橋駅の出口案内に東京大神宮の記載はありませんでした。当時は営団地下鉄でしたが、本社ビルに何度かお願いに上がり、飯田橋駅の出口案内と初詣案内に東京大神宮を加えてもらうことができて、本当に嬉しかったです。

初めて参拝に訪れる方々のためにも案内表示は欠かせません。交通量の多い目白通り沿いにある「大神宮通り」の入口に、何か目印があればとの思いから、入口の土地を購入して、平成13年に「東京大神宮」と刻まれた社号標を立て、方向指示の看板を設置致しました。認知度の向上や宣伝としても役立っております。

さらに、境内の整備も重要な取り組みの一つです。具体例を挙げるなら、参拝者にきちんと鳥居をくぐり参道を通って参拝して頂けるよう、参道とその西側の部分を区切るための檜葉の植え込みを作り、参拝の動線をわかりやすくしました。それから、夏の風物詩である、境内のドライミストの設置も東京では早い方でした。これは平成17年の愛・地球博(愛知万博)で使われたのが最初で、平成19年、神社では初の設置例としてメディアでも取り上げられました。

 コロナ前、東京大神宮の参拝者数は、1月以外の月平均が7万人前後で、これに1月の約20万人を加えると年間100万人ほどでした。しかし、コロナの影響で令和2年から急激に参拝者数が減ってきました。令和3年、令和4年はどちらも70万人ほど、令和5年の見込みは85万人程度になるのではなかろうかと予想しております。

東京大神宮は縁結びの神社としても知られ、大安の日は平日でも良縁を願う参拝者で賑わいます。ご神徳は広大無辺でありますから、縁結びに限らず諸祈願の成就を願い、ぜひご参拝頂けたらと思います。